ある日突然ウツになりました

社会人11年目で突然うつ病になったOLの闘病記

ウツ病患者にとって必要な事

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「退職させてください」



その一文とともに、メールで伝える事になってしまった謝罪と、私物返却および会社の備品返却のため社外で上司に会いたい旨を添えました。



返信きたのは翌日。
普通こういうメール受信したらすぐ返信しないかなぁ!?つくづくおかしな会社だな!とイライラしたのを覚えています。



社外で会う際は母に付き添ってもらうことにしました。自分一人では泣き出して会話にならない可能性もあるので。



当日、返却するものを袋にまとめ、「こんな形で退職することになり申し訳ありません。大変お世話になりました・・」と心の中で何度も複唱しながら現場の喫茶店に向かいました。少し早く到着し、母と二人でコーヒーを注文し上司の到着を待ちます。


時間通り到着したのは上司と社長。本当にお世話になった二人です。そんな二人を目の前をすると挨拶をした瞬間に涙がこぼれてきます。二人は席に着き、社長が穏やかに話を始めます。










ん???
え・・・??
なんか・・・、え?これはもしかして。












ものすごく引き留めていただいている。




「U2さんはとても仕事ができる、また一緒に仕事がしたいと社内全員思っている」
「規定上、休職期間が短いのはどうにもできない。でも10月末まで社長権限で待つので結論を急がないで欲しい。あと3か月待っているのでゆっくり休んで戻ってきて欲しい」
「仮に体調が芳しくなく10月末までにも戻ってこれないということで一度退職になったとしても、体調が良くなった頃に必ず連絡をして欲しい。そこで再度採用したい」
「フルで勤務できないということであれば雇用形態を変更する形を取るのでもう一度一緒に働こう」等々・・・社長直々にとても引き留めていただきました。



【転職組】と前回の記事で書きましたが、新卒で入った会社を7年弱で退職し同じ業界ですが今の会社に転職してきました。前の会社では転職先も決めずにとりあえず辞める事だけ決めて前の会社の上司にその旨伝えたのですが、その時は「そうですか。残念ですが仕方ないですね。あ、次の職場決まってない?希望地は〇〇ということであれば△△なんてどうですか。話を通しておきましょう」と転職先まで斡旋してもらい今があります。今まで生きてきて「部活を辞める」「習い事を辞める」「会社を辞める」を色々辞めてきましたが、引き留められた経験なんて一度もありませんでした。


今回社長に引き留めていただき、私は生まれて初めて「私を必要としてくれている人がいるんだ」と強く強く!本当に強く感じました。そしてこの感覚が私のウツ症状を途端に良くします。


とりあえず退職するという話は無しになり、復職に向けてギリギリまで療養することになりました。


同時期に薬が変更になったので、それが合っていたという事もあるかと思いますが、気分落ち込む日が少なくなり、毎回泣いていた診察でも泣かなくなり、家でも泣かなくなり、友人と会えるようになったり、色んな物事を前向きに考えられるようになりました。



ウツ病になって家族は献身的にサポートしてくれました。「何があっても味方よ」「お金の心配はしなくていいよ」「どんな事をしてでも守るよ」と何度も優しく力強い言葉をかけてくれました。それでも、自分の中では他人(社長)に言われた言葉が一番効果があったように思います。他人から必要とされているという事実がこんなにも心を前向きにするのか…と自分でも本当に驚きました。


家族の言葉に意味がないとは全く思いません。それがなければ自分がどうなっていたか、考えるだけで恐ろしいです。それに加えて、他人から必要とされること。社会的に必要とされることがウツ病患者にとっては……うーん、私にとっては!とても大きな事だったなぁ思います。



ウツ病患者によくある症状は自己否定・自己嫌悪です。
「自分は必要のない人間だ」「迷惑をかけるだけの存在だ」「生きている価値がない」と本当に本気で思っています。だから死にたい、消えたいと思う。思うというより、願う。「自分が死んだら家族は悲しむだろうなぁ」とは想像できる。それでも願いは消えてくれない。でも、思わぬ所に自分を必要としてくれている人がいる。しかも社会的に必要とされている。これはとても大きな事だと思います。


勤務先から引き留められても「思ってもないくせに・・・」と感じる人もたくさんいるのは分かっています。「人手不足なんだから困る」など会社都合で引き留めているだけの場合もありますからね。私の場合は、社長の言葉を素直に受け止める事にしたんです。真っすぐに目を見て言ってくれた。あの面談後も何度も言ってくれた。私のために社内体制を変えてくれている。社長を信じて、社長が社長でいるうちは頑張りたいという気持ちが芽生えたんです。



だから私は、最終判断は主治医にゆだねる事になりますが復職する道を選ぶ事にしました。




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